軽井沢散歩

軽井沢高原文庫

特集「軽井沢散歩」Vol.05 でご紹介するのは、浅間山を望む塩沢湖のほとりに佇む文学館「軽井沢高原文庫」。明治19年(1886)に宣教師たちによって避暑地として見出されて以来、軽井沢は高原の避暑地・別荘地として数多くの作家や詩人に愛され、多くの文学作品の舞台となってきました。今年2026年は、その避暑地・軽井沢の誕生から140年という節目の年にあたります。昭和60年(1985)8月に開館した「軽井沢高原文庫」は、そうした軽井沢の豊かな文学世界を体験できる場所として、文学や芸術を愛する人々に親しまれています。

浅間石の基壇の上に鉄骨のシェルターユニットを載せた本館は、周囲の自然を内部に取り込んだ開放的な空間。2階の展示室では、軽井沢ゆかりの小説家や詩人、画家たちの生涯と軽井沢との関わりをテーマにした企画展が年に数回開催されています。

敷地内には、作家たちが実際に過ごした建物が移築・保存され、内部が公開されているのも大きな魅力です。『風立ちぬ』の作家・堀辰雄が昭和16年(1941)にアメリカ人から買い求め、4年続けて初夏から秋を過ごした「堀辰雄1412番山荘」(上段右写真)は、よく燃える暖炉と土管を重ねた煙突が印象的な山荘で、かつては堀を慕う若い文学青年たちが大勢出入りしたといいます。明治末期頃に建てられた重厚な別荘、有島武郎の「浄月庵」(下段右写真)は、有島が大正期の夏を過ごし「信濃日記」などを執筆した建物です。1923年(大正12年)6月、有島が雑誌記者波多野秋子とここで情死したことでも知られます。父武が建てたこの別荘を、父の死後に武郎が譲り受け、1989年(平成元年)にこちらに移築保存されました。そして、茶室の造りが趣深い野上弥生子の書斎「鬼女山房」(下段中央写真)は、北軽井沢で『迷路』『秀吉と利休』などの長篇を書き継いだ作家の創作の場でした。カラマツやハルニレ、コブシなどの木々に囲まれた敷地には、磯崎新設計による立原道造詩碑や中村真一郎文学碑も建ち、四季折々の野の花とともに、文学者たちが愛した高原の空気を感じながらゆっくりと散策を楽しめます。

塩沢湖周辺(下段左写真)には、ペイネ美術館や深沢紅子野の花美術館を擁する「軽井沢タリアセン」も隣接しており、共通券(ミュージアムセット券)で文学・美術めぐりを一日かけて楽しむのもおすすめです。芸術の秋、軽井沢高原文庫とあわせて、軽井沢の文化の歩みにふれる散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。

その他の展覧会・イベント情報はこちらから
http://kogenbunko.jp/event/

「軽井沢タリアセン」についてはこちら
http://www.karuizawataliesin.com

※画像は左上から時計回りに、軽井沢高原文庫 本館外観、本館2階展示室、堀辰雄1412番山荘、有島武郎別荘“浄月庵”、野上弥生子書斎“鬼女山房”、塩沢湖(奥に旧朝吹山荘“睡鳩荘”)



INFORMATION


軽井沢高原文庫
住所:〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町長倉202-3
地図:GOOGLE MAP
当館からのアクセス:軽井沢安東美術館から車・タクシーで約11分
開館時間:9:00~17:00
休館日:12月~2月は冬季休館
※年数回、展示替えのための臨時休館あり。詳細は公式サイトのイベント・展覧会欄をご確認ください。
入館料:大人(高校生以上)800円/小人(小中学生)400円
ミュージアムセット券 大人1,600円/小人800円(軽井沢タリアセン・ペイネ美術館・深沢紅子野の花美術館入館を含む共通券)
※20名以上の団体は1割引、100名以上は2割引
公共交通:軽井沢駅より急行塩沢湖線で「塩沢湖」下車、徒歩約1分、または町内循環バス(東・南廻り線)で「風越公園」下車、徒歩約15分
北陸新幹線・しなの鉄道「軽井沢駅」からタクシー約10分/しなの鉄道「中軽井沢駅」からタクシー約7分
電話番号:0267-45-1175
公式サイト:http://kogenbunko.jp/

※最新の情報は、ここに記載のものと異なる場合がございます。
詳細については公式サイトにてご確認または上記のご連絡先までお問い合わせください。

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